虫が木を枯らす

─丹沢のブナハバチとサクラスガ

概要

 神奈川県北部の丹沢山地には、多様な生物の生活の場となる豊かなブナの森が残されています。この森は河川や海とも密接なつながりを持ち、さまざまな生態系サービス(自然の恵み)を提供し、われわれの生活を支えています。ところが、大気汚染や急増したニホンジカの摂食など人間の活動の影響を受けて、近年は樹木の枯死が進み、草地や崩壊地が拡大するなど、その衰退が深刻な問題となっています。これに追い打ちをかけるように、ブナの葉を食べるブナハバチや県絶滅危惧種のシウリザクラの葉を食べるサクラスガなどの食葉性昆虫の大規模な被害が発生するようになりました。ブナなどの広葉樹が昆虫の食害を受けて短期間で大量枯死する例はこれまでほとんど知られていませんでしたが、丹沢山地ではここ20年間で深刻な食害が頻発してきたため、すでに弱っていた樹木の枯死が加速されたと考えられます。とくに希少種であるシウリザクラは、神奈川県の全生育個体数の1/4以上がすでに失われてしまいました。  今回の講座では、丹沢山地の森林衰退の要因として注目されているブナハバチとサクラスガの生活史を概説し、なぜ大量発生を起こすようになったのか考えます。また、その食害と寄主の枯死の関係、神奈川県と共同研究している樹木の保全やそれを利用する昆虫との共生を目指した取り組みについても紹介します。

講座詳細

期間2016年11月4日
回数1
曜日
時間18:30~20:00
定員50名(最少開講人数15名)
受講料500円(当日徴収。ただし資料準備のため事前申込が必要です)
OPクレジット
カード
-
申込期間2016年8月24日〜2016年10月25日
会場ユニコムプラザさがみはら
対象-
テキスト-
持ち物
備考持ち物:筆記具、ノートなど

開講日・内容

開講日内容
12016年11月4日-

講師

谷 晋(たに すすむ)東海大学現代教養センター教授、理学博士
東京教育大学理学部生物学科動物学専攻卒業。筑波大学大学院生物科学研究科修了。専門は動物生態学。20年以上にわたり丹沢山地に通う。ブナ林を衰退させているブナハバチやサクラスガなど食葉性昆虫の生活史や、その食害と樹木の枯死について調査。現在、神奈川県と共同でブナやシウリザクラの保全策を研究。

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