日の出農事暦と倭人のマツリ

概要

 弥生・古墳時代の暦に関する新たな見方をお話しします。なぜ暦なのかというと、マツリには必ず季節性が伴うからです。四六時中開催される祭祀など、古今東西を見渡してみてもどこにも存在しません。祭祀の対象に合わせて祈りを捧げるタイミングを見計らわなければ御利益など期待できないからです。  そのような観点で弥生・古墳時代の暦を考えます。糸口となる発見は福岡県平原遺跡でありました。2回にわたる発掘調査によって、この墓に眠る女性の被葬者は東南東にある日向峠に足を向けていたことがわかりました。さらにその方角には直径60cmの大木を垂直に立てたことがわかっています。諏訪大社の御柱を連想させる大柱ですが、この柱から伸びる日の出時の影が被葬者の眠る墓壙の中央に向けて伸びる日は年に2回あり、それが伊勢神宮の祈年祭と神嘗祭の日取りと一致するのです。偶然の一致ではありえません。  魏志倭人伝には、当時の倭人は正式な暦を知らず、ただ稲作の開始と収穫を「計り」歳を数えたとありますが、さきの大柱から伸びる影が墓壙中央に伸びるタイミングを見定める行為を「計る」と表現したとしても不思議ではありません。平原遺跡は伊都国王墓だといわれることも注目されます。このような大柱(古代中国では「表」と呼ぶ)をもちいた日の出暦の存在は重要で、ここには各種のマツリと季節性の問題を解く鍵があると思います。  今後は古墳と神社の関係についても同様の視点からの比較が可能になるでしょう。

講座詳細

期間2017年1月21日
回数1
曜日
時間13:20~14:50
定員100名
受講料1,000円(キャンセルに伴う返金は対象外となります)
OPクレジット
カード
-
申込期間2016年8月24日〜2017年1月11日
会場東海大学 高輪キャンパス
対象-
テキスト-
持ち物
備考-

開講日・内容

開講日内容
12017年1月21日-

講師

北條 芳隆(ほうじょう よしたか) 東海大学文学部教授、文学部長
1960年、長野県生まれ。1985年岡山大学法文学部卒業、1991年大阪大 学大学院博士後期課程満期退学。1992年~2002年徳島大学埋蔵文化財 調査室。2002年~東海大学文学部歴史学科考古学専攻。古墳時代の成立 過程の研究をテーマとして、古墳の設計や腕輪形石製品の研究を進めて いる。

|